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転職や今後の働き方を考えるとき、「仕事で何を大切にしたいですか」と聞かれても、すぐに答えられないことがあります。
仕事内容、収入、勤務時間、人間関係、成長、安定、やりがいなど、どれも大切に感じると、優先順位を決めにくいですよね。
自分の価値観が分からないまま求人を見ると、条件のよい部分に目移りしたり、何となく違うと感じるだけで応募先を決められなかったりすることがあります。
ただし、最初から「私が仕事で大切にするのはこれです」と、一つの言葉に決める必要はありません。
仕事の価値観は、理想的な言葉から探すより、これまで満足した場面、負担だった場面、今後守りたい生活条件から整理すると見つけやすくなります。
この記事では、仕事で大切にしたいことが分からない理由、価値観と希望条件の違い、優先順位を整理する手順を具体例とともに紹介します。
仕事の価値観は正解を当てるものではない
仕事の価値観とは、仕事を選ぶときや働くときに、どのような状態を大切にしたいかという判断の基準です。
たとえば、次のようなものがあります。
- 生活に必要な収入を安定して得たい
- 専門知識や技術を身につけたい
- 人の役に立っていると感じたい
- 自分で考えて工夫できる仕事がしたい
- 決められた手順の中で落ち着いて働きたい
- 家庭や健康と無理なく両立したい
- 信頼できる人たちと協力して働きたい
どの価値観が優れているということではありません。
成長を重視する人もいれば、生活の安定を優先する人もいます。同じ人でも、家族構成、健康状態、経験、年齢などによって、優先したいことが変わる場合があります。
価値観は一生変わらない性格ではなく、現在の仕事選びに使う判断材料として考えましょう。
価値観と希望条件は分けて考える
仕事選びでは、価値観と希望条件が混ざりやすくなります。
価値観は「なぜその条件を大切にしたいか」という背景です。希望条件は、価値観を実際の求人や働き方へ置き換えたものです。
| 価値観 | 希望条件の例 |
|---|---|
| 家族と過ごす時間を守りたい | 休日が決まっている、残業時間を確認できる |
| 専門性を高めたい | 研修制度がある、特定分野の業務経験を積める |
| 安定して働きたい | 収入、雇用形態、事業内容を確認する |
| 人を支えたい | 顧客支援、社内支援、教育などの仕事を検討する |
| 自分で工夫したい | 業務改善や提案の余地がある仕事を探す |
| 落ち着いて働きたい | 急な予定変更、電話対応、出張などの頻度を確認する |
たとえば、「在宅勤務を希望する」という条件だけでは、その理由が分かりません。
通勤時間を減らしたいのか、家族の対応が必要なのか、集中できる環境がほしいのかによって、在宅勤務以外の選択肢も変わります。
希望条件の理由を一段深く考えると、本当に守りたいことと、別の方法で調整できることを分けやすくなります。
仕事で大切にしたいことが分からない6つの理由
価値観をうまく言葉にできないときは、次のような理由が考えられます。
【仕事で大切にしたいことが分からない6つの理由】

1. 大切な条件が多すぎる
仕事内容、収入、休日、勤務地、成長、人間関係など、どれも必要に感じると一つに絞れません。
この場合は、価値観がないのではなく、優先順位がまだ整理されていない状態です。
2. 世間でよいとされる条件に影響されている
年収、知名度、在宅勤務、成長企業など、一般に魅力的とされる条件が、自分にも必要とは限りません。
周囲から評価されやすい仕事と、自分が無理なく続けられる仕事は分けて考えましょう。
3. 今の職場への不満が強い
現在の仕事がつらいと、「今と反対の条件ならよい」と考えやすくなります。
人間関係がつらいから一人でできる仕事、忙しいから負担の少ない仕事という選び方だけでは、次の職場で大切にしたいことまで分からない場合があります。
4. 仕事の経験が一つしかない
比較できる経験が少ないと、現在の働き方が一般的なのか、自分に合っているのか判断しにくくなります。
学生時代、アルバイト、家庭での役割、学習経験なども振り返りの材料になります。
5. できることと、やりたいことを混同している
得意な仕事を、これからも続けたいとは限りません。
周囲から評価される仕事でも、本人が強く消耗していることがあります。
6. 将来を一度に決めようとしている
今後の職業人生すべてに当てはまる答えを出そうとすると、決めにくくなります。
まずは、次の転職や今後数年の働き方で重視したいことを整理すれば十分です。
価値観を整理する前に仕事の事実を書き出す
「何を大切にしたいか」と直接考えても言葉が出ない場合は、これまでの仕事で起きた事実から振り返ります。
次の三つの場面を一つずつ書き出してみましょう。
- 比較的満足して働けた場面
- 強く負担を感じた場面
- もう一度取り組んでもよいと思える場面
たとえば、次のように整理します。
| 場面 | 起きていたこと | 感じたこと |
|---|---|---|
| 満足した場面 | 新人向けに手順をまとめた | 相手が理解できたときに手応えを感じた |
| 負担だった場面 | 予定が毎日直前に変わった | 準備できない状態に疲れた |
| また取り組みたい場面 | 問い合わせ内容を整理した | 複雑な情報を分かりやすくする作業が合っていた |
ここから、「人が理解できるように支援したい」「事前に準備できる環境がよい」「情報を整理する仕事を増やしたい」といった価値観の候補を見つけられます。
いきなり価値観へ名前を付けず、実際の場面と感情を先に書くことがポイントです。
価値観を整理する7つの手順
仕事で大切にしたいことを、次の順番で整理してみましょう。
【仕事の価値観を整理する7つの手順】

1. 満足した仕事を三つ書く
成果の大きさではなく、取り組みやすかった、納得できた、また行ってもよいと感じた仕事を選びます。
次の質問が役立ちます。
- どのような作業をしていましたか。
- 一人とチームのどちらで進めていましたか。
- どのような相手と関わっていましたか。
- 自分で判断できる範囲はありましたか。
- なぜ満足できたと思いますか。
2. 負担だった仕事を三つ書く
仕事の内容だけでなく、環境や条件も分けて書きます。
- 仕事内容が合わなかった
- 仕事量が多すぎた
- 予定変更が多かった
- 人間関係に負担があった
- 評価基準が分かりにくかった
- 勤務時間や通勤が生活に合わなかった
「営業が嫌だった」のように職種全体でまとめず、何が負担だったのかを具体的にしましょう。
3. 増やしたいことを書く
今後の仕事で増やしたい経験や状態を考えます。
- 人へ説明する時間
- 専門知識を学ぶ機会
- 自分で工夫できる余地
- 落ち着いて作業できる時間
- チームで相談できる機会
- 生活に合わせて働ける時間
4. 減らしたいことを書く
完全になくすことが難しくても、頻度を減らしたいものを書きます。
- 長時間の通勤
- 急な休日出勤
- 毎日の予定変更
- 強い売上目標
- 一人で抱える状態
- 曖昧な指示
「やりたいこと」が分からないときは、「増やしたいこと」と「減らしたいこと」から考えても構いません。
5. 生活上の条件を書く
仕事以外の事情も、職業選択に関わります。
- 必要な収入
- 勤務地と通勤時間
- 勤務できる曜日と時間
- 育児や介護
- 通院や健康上の事情
- 転居できるか
- 学習に使いたい時間
仕事の理想だけでなく、生活を無理なく続ける条件を確認しましょう。
6. 条件の理由を書く
希望条件の横に、「なぜ必要か」を書きます。
| 希望条件 | 理由 |
|---|---|
| 残業を減らしたい | 家族との時間と睡眠を確保したい |
| 研修制度がほしい | 未経験分野を一人で学ぶことに不安がある |
| 収入を一定以上保ちたい | 生活費と将来の貯蓄を確保したい |
| 在宅勤務を希望する | 通勤による時間と体力の負担を減らしたい |
理由が分かると、その条件を満たす別の方法も考えられます。
7. 仮の優先順位を付ける
最後に、現在の段階での優先順位を付けます。
永久に固定する必要はありません。求人や生活の変化を見ながら、あとで見直せます。
希望条件を3段階に分ける
条件が多くて選べない場合は、「必須」「できれば」「調整可能」の3段階に分けます。
【希望条件を3段階に分ける整理表】
| 段階 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 必須条件 | 満たさないと生活や健康に大きな影響がある | 勤務地、収入の下限、勤務できない曜日 |
| できれば守りたい条件 | 満たせると働きやすいが、ほかの条件と調整できる | 在宅勤務、研修制度、会社規模 |
| 調整可能な条件 | 仕事内容や将来性によって変更を検討できる | 役職、業界、服装、オフィス環境 |
必須条件を増やしすぎると求人の選択肢が狭くなりますが、無理に減らす必要もありません。
まずは、その条件を満たさない場合に何が起きるかを考えます。
生活や健康に大きな影響があるなら、必須条件として扱う理由があります。一方、別の方法で目的を満たせるなら、調整できる可能性があります。
二つの条件で迷ったときの比べ方
年収と仕事内容、安定と成長、在宅勤務と人との交流など、二つの条件が両立しにくい場合があります。
そのときは、「どちらが大切か」と抽象的に考えるのではなく、それぞれを選んだ生活を具体的に想像します。
得られるものを比べる
- その条件を選ぶと、何が増えますか。
- どのような安心や満足がありますか。
- 将来どのような経験につながりますか。
負担になるものを比べる
- その条件を選ぶと、何を諦める必要がありますか。
- 時間、体力、収入にどのような負担がありますか。
- その負担は一時的ですか、長く続きますか。
あとから変更できるかを比べる
- 入社後に調整できる条件ですか。
- 経験を積んだあとに変更できますか。
- 今決めなければ取り戻しにくい条件ですか。
条件の優先順位は、理想の高さではなく、自分が受け入れられる負担との組み合わせで考えましょう。
価値観診断を使うときの注意点
一人で白紙から考えにくい場合は、公的な自己診断ツールを使う方法があります。
厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」には、仕事を選ぶときや働くときに重視することを振り返る仕事価値観検査があります。
マイジョブ・カードにも、価値観診断や、価値観・興味・関心を記入するキャリア・プラン作成補助シートが用意されています。
ただし、診断結果をそのまま仕事選びの結論にしないことが大切です。
- 結果のどこに納得したか
- 納得できない項目はあるか
- 似た価値観が表れた経験はあるか
- 現在の生活条件と一致するか
- その価値観を仕事でどの程度満たしたいか
診断は自分の価値観を決めるものではなく、これまでの経験を思い出すための質問として使いましょう。
価値観だけで仕事を決めない
価値観は大切な判断材料ですが、価値観だけで職業や会社を決めることはできません。
実際の仕事選びでは、次の情報も必要です。
- 具体的な仕事内容
- 求められる経験や能力
- 勤務時間と休日
- 収入と雇用条件
- 勤務地と通勤
- 会社や部署の状況
- 仕事の進め方
- 将来身につく経験
「人を支えたい」という価値観があっても、営業、教育、医療、介護、事務、社内支援など、さまざまな仕事があります。
価値観に合う言葉が求人票に書かれているかだけでなく、実際にどのような行動を求められるかを確認しましょう。
求人を見る前と見た後で条件を見直す
価値観と希望条件は、一度決めて終わりではありません。
求人情報を見ると、条件の現実的な組み合わせが分かってきます。
たとえば、収入、勤務地、勤務時間のすべてを希望どおりにするのが難しい場合、どの条件を優先するかを改めて考えられます。
求人を見るときは、次のように記録します。
| 求人を見たときの反応 | 確認できること |
|---|---|
| 興味を持った | どの仕事内容や条件にひかれたか |
| 不安を感じた | どの条件が負担になりそうか |
| 何も感じなかった | 仕事のイメージが足りないのか、方向が違うのか |
| 応募を迷った | 不足している情報は何か |
求人を見てから価値観を修正しても問題ありません。
キャリア相談を使って価値観を整理する方法
一人で優先順位を決めにくい場合は、キャリア相談を利用する方法があります。
相談するときは、「自分の価値観を教えてほしい」と依頼するより、具体的な経験を一緒に振り返る形が使いやすいでしょう。
次のように伝えられます。
- 「大切にしたい条件が多く、優先順位を決められません。」
- 「収入と働き方のどちらを優先すべきか整理したいです。」
- 「今の職場への不満と、次の仕事で希望することを分けたいです。」
- 「できる仕事と、今後続けたい仕事を分けて考えたいです。」
- 「生活条件を含めて現実的な選択肢を整理したいです。」
転職するか決めていない段階で相談先を探している方は、次の記事も参考にしてください。
求人を紹介されずに価値観や働き方を整理したい方は、次の記事で相談先を比較できます。
キャリア相談と転職エージェントを使い分ける
価値観を整理する段階と、求人を探す段階では、必要な支援が異なります。
求人へ応募する前に考えを整理したい場合は、求人紹介を前提としないキャリア相談が候補になります。
希望条件がある程度まとまり、具体的な求人を探したい場合は、転職エージェントやハローワークなどを利用する方法があります。
キャリア相談と転職エージェントの違いは、次の記事で詳しく整理しています。
キャリナビを相談先として検討する場合
民間のキャリア相談としてキャリナビを検討する場合も、価値観や希望条件の整理をどのように扱っているか、現在の案内ページで確認しましょう。
特に次の点を見ておきます。
- 転職を決めていない段階でも相談できるか
- 経験や価値観の振り返りを扱うか
- 仕事と生活の条件を相談できるか
- 求人紹介の有無
- 料金と利用条件
- 面談方法と相談回数
- 担当者の資格や経験
- 担当変更や利用終了の方法
- 個人情報の取り扱い
キャリナビの相談内容、料金、求人紹介など、申し込み前の確認項目をまとめて見たい方は、次の記事も参考にしてください。
キャリナビの現在の案内内容を確認する方は、以下のリンクから進めます。
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仕事の価値観に関するよくある質問
Q. 仕事で大切にしたいことは一つに絞る必要がありますか?
A. 一つに絞る必要はありません。複数の価値観を持つことは自然です。条件が両立しにくいときに備えて、現在の優先順位を付けておきましょう。
Q. 年収を最優先にするのはよくないですか?
A. 生活や将来の計画に必要な収入を重視することは、仕事選びの一つの考え方です。仕事内容、勤務時間、健康への負担などとあわせて判断してください。
Q. やりがいが分かりません
A. 「やりがい」という言葉で考えず、満足した場面、感謝されたこと、また取り組んでもよい仕事を振り返ってみましょう。
Q. 価値観診断の結果が自分に合わない気がします
A. 診断結果に合わせる必要はありません。納得できない理由や、結果と異なる経験を考えることも自己理解につながります。
Q. 希望条件が多すぎる場合はどうしますか?
A. 必須、できれば守りたい、調整可能の3段階に分けます。各条件が必要な理由も書くと優先順位を付けやすくなります。
Q. 転職活動を始めてから価値観が変わってもよいですか?
A. 問題ありません。求人情報や面接を通じて、新しい条件に気づくことがあります。判断材料が増えた段階で見直しましょう。
Q. キャリア相談で価値観を教えてもらえますか?
A. 相談員との対話を通じて、経験や希望条件を整理する方法があります。ただし、相談員に決めてもらうのではなく、自分が納得できる言葉と優先順位を見つけることが大切です。
まとめ|価値観は経験と生活条件から仮の優先順位を作ろう
仕事で大切にしたいことが分からないときは、理想的な価値観を一つ選ぶ必要はありません。
まずは、次の内容を整理してみましょう。
- 満足した仕事
- 負担だった仕事
- 今後増やしたいこと
- 今後減らしたいこと
- 生活上、外しにくい条件
- 各条件を希望する理由
希望条件は、必須、できれば守りたい、調整可能の3段階に分けます。
仕事の価値観は最初から完成させるものではありません。経験や求人情報を通じて、現在の自分に合う優先順位へ少しずつ整えていきましょう。
キャリナビが相談先の候補に入る方は、価値観や希望条件の整理を相談できるか、求人紹介の有無、料金、担当者、利用条件を確認し、ほかの相談先と比較したうえで判断してください。
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